フォレストキャビン
フォレストキャビンは、兵庫県豊岡市の森林に囲まれた敷地に計画された、コンパクトな週末用のリトリートです。本プロジェクトは、豪雨や洪水、さらには山火事といった自然環境の課題に対応しながら、快適に過ごせる自立型の小住宅を実現することを目的としています。
建物は、シンプルで原型的なフォルムを持ち、磨き仕上げのグリーンアルミニウム外装によって包まれています。耐久性とメンテナンス性に優れたこの素材は、周囲の自然に溶け込みながら、不燃性の保護外皮として機能します。深い軒の出と可動式シャッターにより、日射遮蔽や暴風雨への対策が施されており、不在時には建物全体を閉じることが可能です。また、建物は地面から持ち上げられ、自然石を用いたアプローチによってアクセスされることで、洪水への耐性と敷地との繊細な関係性を両立しています。
本計画では、断熱性能の向上、通風計画、薪ストーブの導入により、四季を通じて快適な室内環境を実現しています。さらに、雨樋や排水設備を隠すことで、外観はミニマルでクリーンな表現にまとめられています。
内部はコンパクトで柔軟性のある居住空間として構成されています。小さな風除室が外気の影響を緩和し、オーク合板の壁と無垢オーク床で仕上げられたワンルーム空間へとつながります。ステンレス製のキッチンとダイニングヌックは大きな開口部に面し、周囲の風景を取り込みます。造り付けのベンチやソファは、収納を内包しながら、リビングおよび就寝スペースとして多目的に利用できます。
はしごによってアクセスするロフト空間は、就寝エリアとラウンジエリアに分けられ、両側の三角形の窓から光を取り込みます。水回りは、ランドスケープとの連続性を意識して設計されており、シャワー、ヒノキ風呂、そして森を望むシンプルな洗面を備えています。さらに、ガラス扉を通じて屋外シャワーへとつながり、季節に応じた自然との関わりを可能にしています。
本プロジェクトは、自然に開かれながらも守られた空間を実現することで、耐久性・安全性・持続可能性を備えた、シンプルな暮らしのあり方を探求しています。

